2014年11月22日
平成25年度 第2回学術講習会
10月6日(日)16時より愛知県歯科医師会館にて、国立長寿医療研究センター歯科口腔先進医療開発センター最新歯科研究部部長の中島美砂子先生をお招きし、「歯延命化による健康長寿を目指した歯髄・象牙質再生治療の実用化にむけて」の学術講演が行われました。
歯髄再生臨床研究は、以前から歯内療法を行った歯の予後、特に破折による抜歯や、審美領域での変色、根尖性歯周炎の感染またその再発などの問題点があったことから、歯髄を何とか再生させる方法は無いかという考えから考案をされました。
その方法はまず細胞を増やすための被験者本人の血清を取り出します。その上で不必要な歯を抜歯、即座に細胞加工施設に輸送し歯髄の中の幹細胞を取り出します。そして前もって抜髄された部位に血清を用いて増やした幹細胞と顆粒球コロニー刺激因子製剤(G-CSF)とを注入し、移植を行います。参加可能な条件として20歳以上50歳未満、単根管不可逆性歯髄炎がある、歯髄を有する不用な歯がある方、骨が十分に確認できる、破折がない、根尖病巣が出来ていないこと全てに該当がある方が対象となります。
その他の研究として歯髄の幹細胞を脳や末梢神経、心臓、骨などに移植を応用する研究への展望や、根管内の最新の洗浄、消毒技術の装置開発などにも着手されていることを挙げあれ、歯科界の新たな可能性、将来性を示されていました。
中島先生にはお忙しい中ご講演いただき、大変わかりやすく解説していただきました。とても学術的な良き学術講演となりました。今後の臨床へ応用される日が来ることを期待しております。
学術部 日置章博
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